「カラスミ(ボッタルガ)」と聞くと、ちょっと特別な日のごちそうを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。チーズのように濃厚で、からすみ特有の塩気と旨味は、パスタに合わせると抜群の存在感を発揮します。
今回は、そんなカラスミを主役にしながら、和の柑橘・かぼすの爽やかな酸味とハーブ・タイムの香りを添えた、大人のためのパスタレシピをご紹介します。濃厚さと軽やかさのバランスが絶妙で、ワインにもよく合う一皿です。
今回は柑橘にかぼすを使いました、酸味が強すぎないのが魅力で爽やかな香りをプラスしてくれます。
レモンよりもまろやかで、爽やかさがありつつカラスミの濃厚さを壊さない、料理に寄り添う酸味です。
カラスミとは
ここで少し、カラスミについて触れてみましょう。
- 日本三大珍味のひとつ
カラスミは「からすみ」「このわた」「うに」と並び、日本三大珍味に数えられる高級食材。ボラの卵巣を塩漬けにし、天日で干して仕上げます。 - 名前の由来
見た目が墨をすった「唐墨(からすみ)」に似ていることから、この名が付いたと言われています。 - ボッタルガとの違い
イタリアでは「ボッタルガ(Bottarga)」と呼ばれ、主に地中海沿岸で親しまれています。原料はボラやマグロの卵巣で、オリーブオイルに漬けて保存されることも多く、日本のカラスミより柔らかくマイルドな味わいです。 - イタリアでは定番のパスタ食材
特にサルデーニャ島やシチリア島では、すりおろしたボッタルガをパスタに絡めるのが定番。日本のカラスミも同様に、細かく削ってパスタと合わせると贅沢な一皿になります。
材料
- パスタ:90g
- カラスミ:1/2〜1本
- かぼす:1/2個
- ニンニク:1片
- ハーブ:適量(今回はタイム)
- オリーブオイル:大さじ2〜3
作り方
- ニンニクはスライスにしておく。カラスミは手で小さくほぐすかすりおろしてボウルに入れておく。
- ボウルにパスタの茹で汁少々を加えて、カラスミを馴染ませておく。
- フライパンにオリーブオイルとニンニク、タイムを加えて弱火で加熱する。
- 香りが出てきたら火を止めてパスタの茹で汁少々を加えてソース状にする。
- 茹で上がったパスタを加えて手早く混ぜ合わせる。
- 火を止めてカラスミのソース、かぼす果汁を加えて混ぜ合わせる。
- お皿に盛り付け、タイムを散らして完成。



美味しく仕上げるコツ
- カラスミは火を止めてから加えること
高温で加熱すると風味が飛んでしまうため、最後に余熱で馴染ませるのがポイントです。 - かぼすは加熱しすぎない
柑橘系は加熱すると苦味が出るので、加熱を抑えてフレッシュに。 - タイムの香りで全体をまとめる
魚卵特有の濃厚さを、ハーブが爽やかに引き締めてくれます。バジルやディルに変えても◎。
ペアリングのおすすめ
このパスタには、辛口の白ワインやスパークリングワインがぴったり。かぼすの爽やかさとカラスミの塩気が、ワインの酸味とよく調和します。休日のランチや、ちょっと特別なディナーにぜひ。
まとめ
カラスミは「そのままスライスして日本酒と」というイメージも強いですが、パスタに合わせると一気にイタリアンのごちそうに早変わりします。そこにかぼすとタイムを加えることで、和と洋の良さを引き出した一皿になります。
手順はシンプルなので、特別な食材を主役にしたい日にぜひ試してみてください。