パスタ料理には色々なソースがありますが、基本的にはオイルソース・クリームソース・トマトソースの3種類をベースに組み立てられています。今回はその基本となるソースの1つ、クリームソースのパスタについて、作り方の基本を解説していきます。
トマトソースと同様、クリームソースの仕立てには何通りものレシピがあります。下記のポイントを踏まえながら、自分の好みの仕立てを見つけてみてくださいね。
オイルソース(ペペロンチーノ)の基本についてはこちらで解説していますので、まだお読みになっていない方はぜひ読んでみてくださいね。
また、パスタ料理の基本についてはこちらのページでまとめています。

牛乳と生クリーム、どちらを使う?
まず、意外と知らない生クリームと牛乳、バターの違いについて説明していきます。
牛乳は牛の生乳に殺菌などの処理を加えて作られたもの、一方で生クリームは牛乳から「脂肪分」を取り出したものです。従って、基本的には生クリームの方がより濃厚でコクのある味わいになっています。また、生クリームを瓶などに入れて振り続けると、脂肪分と水分が分離してバターが出来上がります。
クリームパスタを作る際、牛乳と生クリームどちらを使うのか、また両方使う場合はどれくらいの比率で使うのか、人それぞれ意見が分かれます。
牛乳を使うメリットは、生クリームよりあっさりと食べやすい仕上がりになること、そして生クリームより安価で手に入りやすいことです。
ただ、牛乳だけを使うと少し水っぽくなってしまいますので、できれば牛乳と生クリームを半々、もしくは全て生クリームを使ってあげるのがおすすめです。もし牛乳だけを使って作る場合は、バターやチーズで濃厚さをプラスしてあげるといいですよ。
このサイトのレシピは、基本的にすべて生クリームのみを使用しております。

クリームの煮詰め方
クリームソースの煮詰め方についても、人それぞれ好みの異なるところです。「しばらくの間加熱してポコポコ沸騰させる」というレシピもあれば、「温めるだけでほぼ煮詰めない」というものもあります。
当然、煮詰めれば煮詰めるほど濃厚な味になりますが、一方でどんどんモッタリとした味わいになりますので、煮詰めすぎてしまうと口当たりは悪くなります。
食べる方のお好みで調整していただければと思いますが、濃厚かつ口当たりよく食べられるよう、「軽くとろりとするまで煮詰める」程度に煮詰めるのがおすすめです。

玉ねぎは使う?使わない?
玉ねぎも、使うレシピと使わないレシピが分かれる食材です。
バターなどで透明になるまで炒めると、玉ねぎは甘味と旨味が出ます。これがソースの味わいを濃厚で奥行きのあるものにしてくれます。
一方で、生クリームや牛乳自体も甘さを感じる材料ですので、そこに甘い玉ねぎを加えると全体が甘くなりすぎて締まりのない味になってしまう、という考え方もあります。
一緒に使う食材やコンセプト、目指したい味に合わせて使い分けていただければと思いますが、こちらのサイトに掲載しているレシピについては、シャープな味わいにするため玉ねぎを使わないレシピが多いです。

しっかり「出汁」をとることが重要!
「ペペロンチーノの基本」でも解説しましたが、パスタ料理を美味しく仕上げるには動物性のたんぱく質を入れることが肝要です。クリームパスタにはベースとしてクリームやバターなどが入るため、実は比較的楽に美味しくすることができるパスタ料理です。ですが、クリームとバターだけではちょっぴり物足りないので、他の食材で旨味をプラスしてあげましょう。
おすすめは生ハム、もしくはスモークサーモンです。これらをオリーブオイルやバターで炒めてソースに香りと旨味、塩味を溶かし込んであげることで、クリームソースの風味が何段階もアップします。もちろん、これらの食材が手に入らない場合はベーコンやパンチェッタ、ハム、コンソメなどを使ってもOKです。
ソースに香りや旨味を溶かし込む工程は、日本料理でいうところの「出汁をとる」ような作業で、ソースのベースを作る大切な工程です。
もう1つ、クリームパスタにとってとても重要な食材はパルミジャーノチーズです。ソースに溶かし込んでもいいですし、仕上げにかけるのも見栄えが綺麗で良いです。比較的クセがなく、どんな食材ともよく合うパルミジャーノは、クリームパスタとは切っても切れない関係の食材ですね。
市販のいわゆる「パルメザンチーズ」を使ってももちろん大丈夫ですが、より本格的な風味を求めるのであれば、パルミジャーノを使ってみましょう。
塩分は気持ち強めに!
クリームパスタの場合、全体の塩分は気持ち強めがおすすめです。生クリームや牛乳は甘味を感じさせる材料で、濃厚なコクが美味しい一方、モッタリしすぎると食べ飽きてしまう味になってしまいます。
上記の「出汁をとる」工程でしっかり塩分や旨味を引き出し、食べ進めても飽きのこない味を作りましょう。キリッとすっきりとしたシャープな味わいを作るためにも、しっかり味見をして塩分調整をしましょう。

パスタは必ずアルデンテで
「パスタの基本」でも記載いたしましたが、特にクリームパスタは茹で加減が非常に重要なソースです。
前述のとおり、クリームパスタはモッタリした味になりがちな料理です。パスタがクタクタだと、ただでさえ重めなソースと合わさって、非常に鈍重な味わいになってしまいます。重ためなソースだからこそ、パスタは必ずアルデンテで、歯切れの良い食感を目指しましょう。
クリームパスタの場合、パスタの種類は太いものから細いもの、ロングでもショートでも良く合いますが、個人的には上記の理由で生パスタよりも乾麺をおすすめします。
今回はクリームパスタのポイントについてご説明しました。いくつかのポイントは人それぞれ好みが分かれるポイントですので、ぜひ色々試しながらご自身のベストを見つけてみてくださいね。
パスタ料理の基本についてはこちらにまとめていますので、ぜひ他の記事もご覧になってください。