今回のお題は「ズッキーニと生ハムのペペロンチーノ」です。

 

前回、基本のペペロンチーノベースの作り方を学びました。今回は少しステップアップして、具材を加えてみましょう。具材の旨味をソースに活かすことや、料理の重要な要素である香りづけについてご紹介していきます。

 

※前回の講座はこちら

※今回の詳しいレシピはこちら

 

【ゼロから始めるパスタ講座】vol2.<br>ズッキーニと生ハムのペペロンチーノ

 

具材の旨味について

パスタに具材を加えるということは、その食材の味や香りがソースに溶け込むということです。特に、今回使う生ハムのような旨味の強い食材は、一つ加えるとパスタ全体の味がグッとレベルアップします。

 

生ハムの他に、ベーコンなどの肉類全般、アンチョビやコラトゥーラ(魚醤)、チーズや醤油など、タンパク質が含まれる食材は旨味を出してくれる傾向にあります。

 

今回、生ハムが手に入らなければベーコンや粉チーズなどで代用してもOKですが、生ハムはパックでコンビニでも売っていますので、ぜひ使ってみてください。

 

野菜はズッキーニを使っていますが、こちらはアスパラガスやスナップエンドウ、その他お好みの野菜に替えても問題ありません。

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ハーブと白ワインの使い方

今回のレシピでは、タイムというハーブを使っています。

 

普段よく見かけるパセリなどのハーブと違い、料理をしない方はあまり馴染みのないハーブかもしれませんが、世界中で愛されているハーブの代表選手のようなものです。

 

シソの仲間で清涼感のある香りですが、スパイシーな刺激的な香りもあり、どんな材料でも比較的違和感なくマッチします。

 

よく知らないハーブを買うなんて、いきなりハードルが高い…と思う方もいるかもしれませんが、胡椒と同じレベル・頻度で幅広く使えるハーブですので、持っていない方は購入をおすすめします。ハーブはパセリしか使ったことがない、という段階からステップアップしてみましょう。

 

もちろん、生のハーブではなくスーパーなどでも売っている瓶詰め・乾燥のものでOKです。

 

※パスタ料理に使うハーブについてはこちらでまとめてご紹介しています。

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白ワインも同様に、ソースに爽やかな香りを追加したり、魚介類の臭みをとる効果があります。こちらもパスタ料理では比較的良く使う材料となってきますので、安いもので結構ですのでぜひ手に入れてみてください。

 

赤ワインは白ワインほど頻繁には使わないので、今は手元になくても大丈夫です。

 

ハーブやスパイス、白ワインなどは主役の食材ではありませんが、料理の味を大きく左右する重要な要素です。美味しい料理を作るためにはこれらの風味や香りを使いこなしていくことが大事です。

 

ハーブやスパイスを上手に使うポイントは、実際に使ってみてどんな香りがするかを自分の鼻と舌で感じることです。

 

例えばタイムの香りについて「清涼感のある、少し甘くて刺激的な香り」と言葉で説明されても、具体的にどんな香りかあまり想像ができないと思いますが、実際に使用して香りを感じていくうちに「これはトマトソースと合うんだな」「魚介類には合わないんだな」というような経験を積んでいくことができるでしょう。

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イタリアンパセリについて・パセリとの違い

次に、ハーブの1種、イタリアンパセリとパセリのお話をします。

 

前回の基本のペペロンチーノでは、手に入りやすいパセリを使っていただいたかと思いますが、今回はもし手に入るようであればイタリアンパセリを使ってみてください。

 

イタリアンパセリとパセリは品種としては近い植物ですが、似ているようでなかなか違う香りがします。パセリの方が清涼感と苦味が強く、はっきりした輪郭の香りがします。また、生で食べるには若干固いので、軽く火を通すほうが食べやすいです。

 

一方のイタリアンパセリは柔らかいので生食に向いており、パセリよりえぐみの少ない香り・味わいがします。加熱すると香りが飛んでしまうので、仕上げにパラパラと振りかけて使うことが多いです。

最終的にどちらを使うかはお好みですが、イタリアンパセリはほぼ全てのパスタに合わせることができ、より清涼感が欲しい場合はパセリを使う、という使い分けをおすすめします。

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今回のレシピでは、タイムと黒胡椒、白ワイン、仕上げにイタリアンパセリを使っています。タイムとイタリアンパセリ、白ワインの爽やかで食欲をそそる香りと、タイムのスパイシーな香りと黒胡椒のピリッとした香りの両方を感じてみてください。


調理

今回の料理はペペロンチーノベースのパスタですので、途中までは前回の基本のペペロンチーノと同様の工程です。オリーブオイルにニンニクと唐辛子を加えて弱火で加熱し、オイルにニンニクと唐辛子の香りを移します。

 

さて、今回はこの後に具材を炒める工程を追加しましょう。ズッキーニをフライパンに加えたら、軽く塩を振ります。これは、ズッキーニに下味をつけるのと同時に、水分を引き出して旨味を凝縮する効果があります。

 

前回、パスタの茹で汁の項目でもご説明しましたが、具材に下味がついていないと全体の中で味が浮いてしまい、美味しく仕上がりません。

 

次に、生ハム半量を加えてさらに炒めます。残りの半量は火を加えずに後ほど加えます。

 

半量を加熱し、半量を加熱せずに使う理由ですが、全てを生で使ってしまうとソースに生ハムの旨味・塩分が溶け込みませんが、一方で生ハムは加熱すると固くなって独特の食感が失われてしまいますので、食感を楽しみつつ旨味をソースに生かすために、今回は半量ずつ使うことにしています。

【ゼロから始めるパスタ講座】vol2.<br>ズッキーニと生ハムのペペロンチーノ

そして香り付けのタイムと胡椒、白ワインを加えます。白ワインを加えたら火を強火にしてアルコール分を飛ばしてください。あとは茹で上がったパスタを加え、よくかき混ぜて仕上げにイタリアンパセリを添えれば完成です。


塩加減について

今回の重要なポイントは、塩加減です。

 

今回使った生ハムは、塩分の強い食材です。ですので、他の食材に対して塩を振りすぎると、全体の塩分が強くなり過ぎてしまいます。

 

例えば、パスタを茹でるお湯の塩分は、前回より減らしてもOKです。塩分は足りなければ後から補うことができますが、多すぎると取り返しがつかなくなってしまいますので、常に注意しましょう。

 

今回使った生ハムの他に、ベーコンや魚介類、オリーブ、チーズなどを使う場合は要注意です。逆に、トマトや生クリームを使う場合は塩味が薄くなりがちですので、気持ち多めに塩を効かせましょう。

 

パスタ料理には、「必ずこの分量でなければならない」というルールはありません。使用する食材の性質によって、ケースに応じた調味をすることを学んでいきましょう。

【ゼロから始めるパスタ講座】vol2.<br>ズッキーニと生ハムのペペロンチーノ

いかがだったでしょうか?前回の「基本のペペロンチーノ」から少し内容を発展させ、具材を加えて香りづけをすることをご紹介しました。

 

次回は、トマトソースの作り方をご紹介します!

※第3回はこちら