「パスタ料理の基本」の基礎として、まずはパスタ料理の主役、パスタ自体についてまとめてみました。ソースのレシピに注目しがちで意外と忘れがちなパスタについて、整理していきましょう。いくつもの種類があるパスタを上手に使い分けて、美味しくパスタ料理を作りましょう!
パスタの種類について
皆さんは「パスタ」と聞くとどんなものを思い浮かべるでしょうか?いわゆる「スパゲティ」、麺の形をした細長いものをイメージする方も多いのではないでしょうか。
そもそも「パスタ」とは小麦を使って作られた生地の総称で、「米」や「パン」と同じような大きな括りの言葉です。「スパゲティ」や「ペンネ」などは「パスタ」の中の1つの種類であり、パスタの種類は数百にも及びます。
一口にパスタ、と言っても多種多様な形状や製品があります。パスタの種類は大きく2つ、「ロングパスタ」と「ショートパスタ」に分かれます。その名の通り、ロングパスタは長い麺状のものでスパゲティやリングイネ、フェットチーネなどが該当します。一方のショートパスタはペンネやマカロニ、リガトーニなどのコロコロした形のものです。
製法による違いについて
形による分類のほかにも、パスタの作り方によっても色々な種類があります。まずは「乾麺」と「生パスタ」です。その名の通り、ざっくりといえば作り立てのものが生パスタ、それを乾燥させたものが乾麺です。リーズナブルで手に入りやすいのは乾麺ですね。
乾麺には大きく2種類のものがあります。1つは「ブロンズダイス」、もう1つは「テフロンダイス」です。この2つの差は、パスタを製造するときの「機械の穴」の違いです。パスタは生地を穴の空いた機械に通して麺状にするのですが、「ブロンズダイス」は機械の素材が青銅、「テフロンダイス」にはテフロン加工がしてあります。
青銅のものは穴の周りが少しギザギザしており、パスタの表面がザラザラになります。一方、テフロン加工のものはパスタの表面がツルツルです。どちらにも良さがあるため優劣はありませんが、一般的にブロンズダイスの方が製造コストが高いため、商品の価格も高い傾向にあります。
スーパーなどでよく見る商品だと、「Barilla」はテフロンダイス、「ディチェコ」はブロンズダイスです。
パスタとソースの相性について
パスタ料理、というとソースの作り方に注目してしまいがちですが、パスタとソースの相性も大切な要素です。先述の通り、パスタには様々な種類があり、それぞれ相性の良いソースがあります。
まず、ショートパスタやフェットチーネのように太め・しっかりしたものには濃厚なソースが合うとされ、逆に細めのパスタにはオイルベースや冷製パスタなどあっさりしたソースが合う(よく絡むため)とされています。
ですので、クリーム系や肉類を使ったボロネーゼなどには太めのパスタを、ペペロンチーノなど軽めのソースには細めのパスタを合わせるのが定番です。
また、もちもちとした生パスタは重めのソースと合わせるのが鉄板。表面がザラっととしたブロンズダイスにはソースがよく絡むため、クリームソースなど濃厚な仕上げにする際におすすめ。逆にツルッとしたテフロンダイスはオイルベースなど軽めの仕上げにする際におすすめです。
・・・とはいえ、オイルソースにショートパスタを合わせたり、クリームソースに細いパスタを合わせてはいけない、というわけでは決してなく、その日の気分によって選んでいただいて大丈夫です。
パスタの茹で方について
「パスタの茹で汁には塩を入れる」というのは、皆さんご存知のテクニックではないでしょうか。茹で汁に塩を入れる主な目的は、「パスタ自体に下味をつけること」です。
例えば肉を煮込んだり焼いたりするとき、あらかじめ下味の塩・胡椒を振りますよね。下味をつけないと、いくらソースに味をつけても肉自体の味が薄く感じられてしまい、美味しくなりません。
パスタ料理も同じです。パスタ自体に茹で汁の塩味が染み込んでいないと、ソースの中でパスタだけ浮いたような味になってしまい、全体として美味しく仕上がりません。
茹で汁には、目安としてお湯に対して1%(1リットルであれば10g、小さじ2程度)の塩を入れます。ただし、塩分の強い食材を使う場合はこの限りではありません。アサリなどの貝類、生ハム、ゴルゴンゾーラチーズなど、塩分が強く感じられる食材を使用するレシピの場合は、茹で汁の塩分を控えめにしてくださいね。
パスタの茹で加減は、少しだけ芯の残った「アルデンテ」が基本です。パスタ自体の旨みを味わうシンプルなペペロンチーノでは、パスタがクタクタでは台無しです。濃厚なクリームパスタでも、パスタが柔らかいと全体がモッタリしすぎてくどい口当たりになってしまいます。
パスタの袋に記載されている茹で時間より1分ほど早くお湯からあげるのがポイントです。フライパンの中で混ぜたり、盛り付けたりする時間をふまえて、ちょうど食べる瞬間に袋の茹で時間ぴったりになるようなイメージをするといいかもしれません。
また、パスタを茹でるお湯の温度ですが、グラグラと強く沸騰している必要はありません。多少水面がポコポコする程度で十分です。沸騰が強すぎてパスタが激しく動くとパスタ同士が擦れ合ってしまい、食感が悪くなると言われています。同様の理由で、あまり頻繁にお湯の中のパスタをかき混ぜる必要もありません。
ちなみに、アルデンテはイタリア語で「al dente」、「歯にあたる」というような意味になります。
パスタとソースの合わせ方
パスタには「乳化」が大事、と言われることがあるかもしれませんが、水分とオイルがパスタに含まれるデンプン質によって繋がってとろみがつくことを「乳化」と言います。例えばマヨネーズも油分と水分が乳化して白濁したものです。
神経質に「乳化」を目指す必要はありませんが、やはり油分が多すぎると脂っこく、水分が多すぎると水っぽく感じてしまいますので、ちょうど良い割合を目指してみましょう。
茹で上がったパスタをフライパンに加えてトングや箸でぐるぐると混ぜたら、フライパンを傾けて麺をよせ、ソースの具合を確認してみましょう。
今回はパスタの基本について整理しました。その他のポイントについてはこちらにまとめています。
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