基本的なパスタソースは、オイル・トマト・クリームの3種類があります。今回はその中でも特に人気のクリームソースについて、初心者でも失敗しないための作り方と考え方を解説します。
「水っぽくなる」「重たくなりすぎる」
そんなよくある悩みを解決しながら、濃厚だけど飽きずに食べられるバランスのいいクリームパスタを目指しましょう。
オイルソース(ペペロンチーノ)の基本についてはこちらで解説していますので、まだお読みになっていない方はぜひ読んでみてくださいね。
また、パスタ料理の基本についてはこちらのページでまとめています。

1.牛乳と生クリーム、どちらを使う?
牛乳はさっぱり、生クリームはコク深く。
どちらにもメリットがありますが、「失敗しにくく濃厚に仕上げたい」なら生クリーム100% or 牛乳:生クリーム=1:1が基本です。
- 牛乳だけ:軽い口当たりだが水っぽくなりがち
- 生クリームだけ:濃厚で安定感あり
- 牛乳+バター+チーズ:コストを抑えつつコクを足せる中間案
当サイトでは基本的に生クリーム使用でレシピを構成していますが、色々と試してみてお好みの濃度を見つけるのがおすすめです。

2. クリームの煮詰め方のコツ
煮詰めすぎると重たく、煮詰めなさすぎると水っぽくなってしまいます。
「とろりとする程度に軽く煮詰める」のがベストです。
- 中火でポコポコと気泡が出る程度で加熱
- 鍋底に線が残るくらいの濃度が目安
重すぎず、でも薄くない「ちょうどいい濃さ」を目指しましょう。

3. 玉ねぎは使う?使わない?
これは好みが分かれるポイントです。
使わない場合:シャープな味わいに。シンプル系やスモークサーモン向き
使う場合:甘味と旨味が加わり、コクが深くなる(例:ベーコン・鶏肉と相性◎)
玉ねぎも、使うレシピと使わないレシピが分かれる食材です。
バターなどで透明になるまで炒めると、玉ねぎは甘味と旨味が出ます。これがソースの味わいを濃厚で奥行きのあるものにしてくれます。
一方で、生クリームや牛乳自体も甘さを感じる材料ですので、そこに甘い玉ねぎを加えると全体が甘くなりすぎて締まりのない味になってしまう、という考え方もあります。
一緒に使う食材やコンセプト、目指したい味に合わせて使い分けていただければと思いますが、こちらのサイトに掲載しているレシピについては、シャープな味わいにするため玉ねぎを使わないレシピが多いです。

4. 「出汁」を入れて旨味を底上げする
クリーム×バターだけでは物足りない。
そんなときに「旨味の核」を加えるのが、美味しいクリームパスタのコツです。
おすすめ食材
- 生ハム・スモークサーモン:塩気と香りがクリームと相性抜群
- ベーコン・パンチェッタ:定番の旨味素材
- コンソメ:手軽に風味を底上げできる
さらに、パルミジャーノ・レッジャーノを加えると全体がグッと引き締まります。市販のパルメザンでも代用可ですが、できれば本格チーズを。
「ペペロンチーノの基本」でも解説しましたが、パスタ料理を美味しく仕上げるには動物性のたんぱく質を入れることが肝要です。クリームパスタにはベースとしてクリームやバターなどが入るため、実は比較的楽に美味しくすることができるパスタ料理です。ですが、クリームとバターだけではちょっぴり物足りないので、他の食材で旨味をプラスしてあげましょう。
おすすめは生ハム、もしくはスモークサーモンです。これらをオリーブオイルやバターで炒めてソースに香りと旨味、塩味を溶かし込んであげることで、クリームソースの風味が何段階もアップします。もちろん、これらの食材が手に入らない場合はベーコンやパンチェッタ、ハム、コンソメなどを使ってもOKです。
ソースに香りや旨味を溶かし込む工程は、日本料理でいうところの「出汁をとる」ような作業で、ソースのベースを作る大切な工程です。
もう1つ、クリームパスタにとってとても重要な食材はパルミジャーノチーズです。ソースに溶かし込んでもいいですし、仕上げにかけるのも見栄えが綺麗で良いです。比較的クセがなく、どんな食材ともよく合うパルミジャーノは、クリームパスタとは切っても切れない関係の食材ですね。
市販のいわゆる「パルメザンチーズ」を使ってももちろん大丈夫ですが、より本格的な風味を求めるのであれば、パルミジャーノを使ってみましょう。
5. 味をまとめる「塩」と「茹で加減」
クリーム系は塩が弱いとぼんやりした味になります。
塩気は気持ち強めに。味見してキリッとした輪郭をつけましょう。
そしてもう一つの重要ポイントが、パスタの茹で加減。
- モッタリしたソースにはアルデンテの歯ごたえが重要
- やや硬めに茹でて、ソースと合わせる間にちょうどよく
乾麺・ショートパスタなどもクリームソースと相性が良いですが、茹ですぎには注意です。
クリームパスタの場合、全体の塩分は気持ち強めがおすすめです。生クリームや牛乳は甘味を感じさせる材料で、濃厚なコクが美味しい一方、モッタリしすぎると食べ飽きてしまう味になってしまいます。
上記の「出汁をとる」工程でしっかり塩分や旨味を引き出し、食べ進めても飽きのこない味を作りましょう。キリッとすっきりとしたシャープな味わいを作るためにも、しっかり味見をして塩分調整をしましょう。

パスタは必ずアルデンテで
「パスタの基本」でも記載いたしましたが、特にクリームパスタは茹で加減が非常に重要なソースです。
前述のとおり、クリームパスタはモッタリした味になりがちな料理です。パスタがクタクタだと、ただでさえ重めなソースと合わさって、非常に鈍重な味わいになってしまいます。重ためなソースだからこそ、パスタは必ずアルデンテで、歯切れの良い食感を目指しましょう。
クリームパスタの場合、パスタの種類は太いものから細いもの、ロングでもショートでも良く合いますが、個人的には上記の理由で生パスタよりも乾麺をおすすめします。
今回はクリームパスタのポイントについてご説明しました。いくつかのポイントは人それぞれ好みが分かれるポイントですので、ぜひ色々試しながらご自身のベストを見つけてみてくださいね。
パスタ料理の基本についてはこちらにまとめていますので、ぜひ他の記事もご覧になってください。