今回もパスタ料理に活用できるスパイスとハーブを一挙にご紹介していきます。第1弾の記事では比較的基本的なものをご紹介しましたが、今回はちょっぴり変わり種のものもありますので、楽しみにしてみてください!
タイム
世界中で、料理だけではなくアロマや飲料としても愛されてきた最も有名なハーブの一つ。シソの仲間で、こちらも清涼感のある香りですが、いわゆる”スパイシー”な刺激的な香りもあります。肉、魚に特によく合いますが、香りは強めに出るので使い過ぎには注意。黒胡椒と合わせて使い、食べごたえのある味に仕上げることもできます。
プランターでも育ちますが、生より乾燥の方が香りが立つので、市販のものを使うといいですよ。常備推奨のハーブです。
(参考レシピ)海老とベーコンのクリームパスタ
オレガノ
トマトソースにはこのハーブ。ピザのソースにもある「マリナーラ」はオレガノをきかせた代表的なソースです。タイムと同じシソの仲間で、少し苦味のあるすっきりとした香り。こちらも生より乾燥の方が香りが立ちます。加熱して使いましょう。いつものトマトソースをワンランクアップさせるので、一度試してみてバジルなどと使い分けてみましょう。
(参考レシピ)マリナーラソースのパスタ
ローリエ
かなり重要なハーブです。月桂樹という地中海原産の木の葉っぱで、ローレル/ベイリーフとも。シチューやカレーなどの煮込み料理によく使われ、嗅いでみると「この香りね!」と思い出せるかと思います。
基本的には肉と一緒に、臭み消しの用途で使われますが、野菜中心のソースに加えても風味を1段階アップさせてくれるので重宝します。葉っぱを折ったり、軽く炙ってから加えると、いっそう香りが立ちます。
(参考レシピ)ラム肉のラグービアンコ
セージ
とても爽やかな芳香の、少し白っぽい色合いのハーブ。サルビアとも呼ばれます。バターと合わせてソースにすることが多く、サルビアバター・バターサルビアと呼ばれ、クリーミーなバターにスッとした印象が加わって美味です。
肉と相性が良く、ボロネーゼなどの肉のソースに使われます。ソーセージの語源、とも言われていますよ。バターとトウモロコシ、などバターベースのシンプルなソースに爽やかさを添えてみてください。
(参考レシピ)トウモロコシとセージバターのコンキリエ
フェンネル
地中海原産、中国では「ウイキョウ」と呼ばれる、葉の細いハーブ。甘い香りに、少しほろ苦い味わいのハーブで、魚介類、特にサーモンによくマッチします。独特の香りは、地域で言えばシチリア風の香り。
第1弾でご紹介したピンクペッパーなど、少し甘めの香りがする食材と一緒に使うと素敵な味わいになります。冷製パスタにもオススメです。
葉っぱの部分がよく使われている印象がありますが、フェンネルシードと呼ばれる種の部分も葉っぱと同じく甘い香りがします。
(参考レシピ)豚肉とハーブのトマト煮込みパスタ
ディル
上記のフェンネルと香りもも似ていますが、こちらの方がより清涼感があり、北欧風のイメージのある香りがします。フェンネルと同じくサーモンをはじめとする魚によく合い、またヨーグルトやマヨネーズなど乳製品との相性も良いです。
パスタ料理ではそこまで登場頻度は高くありませんが、存在感のある面白いハーブです。
(参考レシピ)ウニのスパゲティ
ミント
ミントは皆さんご存知、非常に清涼感の強いハーブです。トマトと合わせて冷製パスタに添えたり、ナスとも相性が良いと言われ、例えばナス+バルサミコ+ミント、というような組み合わせも可能です。
ですが、どうしてもスイーツらしいイメージが強く、上手に使うのはちょっぴり難しいハーブです。
コリアンダー
別名:パクチー。近年日本でも人気の高まっているエスニックなハーブですね。かなりクセのある特徴的な香りは、良くいえばライムのような爽やかな香り、悪くいえばカメムシの臭い。好き嫌いが分かれます。
東南アジア〜中国のイメージが強いですが、原産は地中海で、世界中に広まって栽培されています。パスタ料理においては、東南アジア感を出すためには必須のハーブ。ナンプラーやライム、唐辛子と合わせて異国情緒たっぷりの一皿に仕上げましょう。
(参考レシピ)豚肉のエスニック風パスタ
コリアンダーシード
上記のコリアンダーの、完熟した種子を使ったスパイス。葉っぱの部分の強烈なインパクトとは打って変わり、非常に大人しく上品な甘い爽やかさがあります。
ただ、そこまで強い印象の香りがなく、ニンニクや唐辛子を使うパスタ料理ではあまり目立たない存在。優しいクリームソース系に風味を足したいときにどうぞ。
八角
中華料理といえばこれ。エスニックでオリエンタルな香りをばっちり演出してくれます。中国南部〜東南アジアの「トウシキミ」という木の果実を乾燥させたもので、その見た目から「スターアニス」とも呼ばれます。
香りは濃厚な甘さで、シナモンにも似た香り。中華料理では、豚の角煮(東坡肉)や杏仁豆腐にも使われ、1つ加えるだけでかなり強く香りを出してくれます。
八角をパスタに使う、というのはなかなか聞いたことがないかもしれませんが、ペペロンチーノと同じようにオイルの中でじっくり香りを引き出し、山椒や唐辛子の麻辣と合わせて四川風のパスタの出来上がりです。ぜひ一度お試しを!
(参考レシピ)四川風・ペンネアラビアータ
クミン
カレーの匂い、その一言です。パスタ料理ではそこまで出番がありませんが、カレー粉を使ったカレー風味のパスタを作るときは、クミンを加えることでスパイシーな風味をプラスできますよ!
豚肉にブラックペッパー、唐辛子などと合わせて、パワフルな一皿を作ってみてください。
(参考レシピ)豚肉とピーマンのカレーペンネ
ナツメグ
料理をする方なら、「ハンバーグに入れるスパイス」と思うかもしれません。東南アジア原産のスパイスで、甘い刺激性の香りとほろ苦さがあります。肉の臭みを消し、野菜の甘味を引き出す効果があるため、パスタ料理ではボロネーゼを作るときに使用されます。必須ではありませんが、香りにこだわる方なら手に入れてみてください。
(参考レシピ)ボロネーゼ
大切なのは実際に使って香りを感じてみること。持っていないスパイス・ハーブがあれば、ぜひ一度試してみてくださいね。香りを自在に操って、ワンランク上の一皿を目指しましょう!
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