食欲をそそる香りや風味を料理プラスしてくれるスパイスとハーブは、パスタ料理にも欠かせないもの。今回はパスタ料理に活用するハーブとスパイスを、一挙に並べて説明してみました。
パスタ料理を上達させるには、ハーブやスパイスもしっかり使いこなし、自分の好みに合う組み合わせを見つけてみましょう。
唐辛子
もっとも基本のパスタ「ペペロンチーノ」はイタリア語で唐辛子のこと。ニンニクと並ぶ、パスタ料理にとってとても重要な食材です。
辛さをプラスするだけ、と思っている方も多いと思いますが、実は唐辛子には旨味成分のグルタミン酸がたっぷり。辛さだけではなく、しっかり味の深みにも貢献してくれます。市販でよく見かけるのものは、ホールの唐辛子と輪切りの輪切りの唐辛子の2種類ですが、辛さは【輪切り>種を含むホール>種を外したホール】です。
ちなみに「鷹の爪」は唐辛子の品種名。イタリアはじめ外国では違う品種が使われていて、味や辛さも千差万別です。
(参考レシピ)ペペロンチーノ
カイエンペッパー
あまり馴染みのない方も多いかもしれないですが、簡単にいうと一味唐辛子、唐辛子を粉末にしたものです。唐辛子を使ってみたけど、最後に辛味が足りないな……というときにお手軽に辛味をプラスできるので、使い勝手の良い便利なスパイスです。アラビアータなど辛いパスタにどんどん振ってみてくださいね。
(参考レシピ)ペンネ・アラビアータ
パプリカパウダー
見た目は上記のカイエンペッパーとそっくりの赤い粉末。でも中身はパプリカなので辛くはありません。唐辛子から辛さを抜いて、パプリカの甘味を際立たせたものです。クリームソースからトマトソースまで、野菜の甘みの風味をプラスしたいときに重宝します。味のアクセントから彩りまで、意外と汎用性のあるスパイス。
(参考レシピ)トラパネーゼ
ブラックペッパー
唐辛子と並んで、最もメジャーかつパスタ料理には必須のスパイスです。唐辛子とはまた別のスッとした風味の辛さとピリッとした香り。できればペッパーミルを手に入れて、ガリガリと削って使うとより香り高く味わえます。
「唐辛子と胡椒は同時に使わない」という主義のシェフもいらっしゃいますが、併用しても問題はありません。クリームソースやバター系、ちょっとジャンキーに仕上げたい場合にもたっぷり使ってみてください。
(参考レシピ)カルボナーラ
ホワイトペッパー
ブラックペッパーは胡椒の実を外の皮まで乾燥させたものですが、ホワイトペッパーは皮を外したもの。ブラックペッパーより繊細で落ち着いた辛味と香りがします。
ブラックペッパーほど辛味を出したくない場合や、少し甘いスッとした香りをプラスしたい時、時にクリームパスタとは相性がいいです。こちらもブラックペッパーと同様、ペッパーミルを使うと香りがよく立って美味しいです。
(参考レシピ)シンプルなクリームパスタ
ピンクペッパー
あまりメジャーなスパイスではありませんが、意外に使い所のあるピンクペッパー。ブラックペッパーやホワイトペッパーは実が熟す前に収穫しますが、ピンクペッパーは熟した後に収穫して乾燥させたもの。辛いだけではなく、甘い香りが特徴的です。
冷製パスタや魚介類、特にホタテやスモークサーモンとの相性が抜群。後述のフェンネルやディルと併用するのが鉄板です。
(参考レシピ)スモークサーモンの冷製タルタルパスタ
山椒
和食のスパイス、山椒はパスタ料理にも活用できます。肉や魚、スダチなどの柑橘系と合わせて和風のテイストをプラスするのに重宝します。また、唐辛子と合わせて中華風の「麻辣」にするときも使えますね。イタリアンとしては王道ではないかもしれませんが、いろいろな食材と組み合わせる価値のあるスパイスです。
(参考レシピ)桜海老の和風クリームパスタ
イタリアンパセリ
パスタに使うハーブの代表格。スッとした香りでクセがないので、どんなパスタにも使えます。お皿の彩りに困ったら、とりあえず乗せておきましょう。特に、ペペロンチーノには必須と言われています。
プランターで栽培できるので、好きなときにプチッと使いたい方はぜひご検討を!加熱すると香りが飛びやすいので、生の状態で仕上げに添えるのが良いですよ。
(参考レシピ)ボンゴレ・ビアンコ
パセリ
イタリアンパセリとパセリは似た植物ですが違う品種。味わいや香りも少し違います。パセリはイタリアンパセリより清涼感と苦味が強く、イタリアンパセリは柔らかく生でも食べられますが、パセリは少し硬いのでできれば軽く火を通した方が良いです。こちらもクセがなくどんなパスタにも合わせることができる万能ハーブです。
(参考レシピ)グリーンオリーブのペペロンチーノ
バジル
イタリアンといえばこのハーブ。ピザなどにもよく使われていますが、トマトソースと抜群の相性のハーブです。ジェノベーゼ(ジェノバ風ペースト)ではソースの主役にも。煮詰めたトマトソースでも、生のトマトを使う場合でも、特徴的な食欲をそそる香りでイタリアンなテイストをバッチリプラスしてくれます。また、ナンプラーなどの魚醤と合わせてアジアンなエスニック仕立てにするときにもバジルが必須となります。
バジルもプランターで育てやすい植物ですが、乾燥でも十分。こちらも加熱で香りが飛びやすいので、加熱しすぎは避けましょう。
(参考レシピ)ポマローラのパスタ
ローズマリー
独特の甘く清々しい香りのあるハーブ。かなり力強くはっきりとした香りづけができます。肉にも魚にも合わせられますが、ベースはトマトソースがよく合います。特に、鶏肉や豚肉を使うときは必須のハーブです。
加熱しても香りが飛びづらいので、煮込み(ラグー)系のソースにも使えます。香りづけの選択肢として手元に常備しておきたいハーブの一つです。
(参考レシピ)ボロネーゼ
使ったことのないハーブ・スパイスはありましたか?食材と香りの組み合わせをいろいろ試してみるのも料理の面白さの一つですね。
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