ペペロンチーノといえば、最もシンプルで基本的なパスタ料理。色々な食材で簡単に作れるので、おうちで作る機会も多いのではないでしょうか。しかし、美味しく作るのは意外に難しい料理です。今回は、ペペロンチーノを美味しく作るポイントを解説します。
パスタ料理の基本については、こちらにまとめています。
(参考レシピ)基本のペペロンチーノ
ペペロンチーノは難しい
先にも述べましたが、そもそもペペロンチーノを美味しく作るのはかなり難しいです。なぜなら、材料の少ないペペロンチーノは一つ一つの工程がダイレクトに味に直結する繊細な料理だからです。
トマトベースやクリームベースのパスタは、トマトの酸味や甘味・旨味、クリームのコクなど、比較的簡単にわかりやすく「美味しい」と感じる要素が多い料理です。しかし、ペペロンチーノにはそのような要素があまりありません。
しかし、下記に説明するいくつかのポイントを押さえることで、しっかり美味しいペペロンチーノが作れるようになります。
(参考レシピ)シラスのペペロンチーノ
ニンニクの切り方
ペペロンチーノの主材料、それはニンニクです。ニンニクはパスタ料理の中でも最も重要な食材ですし、特に日本人はニンニクの香りが大好物で、パスタ料理でも本場イタリアよりがっつりニンニクの香りを効かせていると言われています。
皆さんはペペロンチーノを作る時、ニンニクはどのようにカットしていますか?ニンニクのカットの仕方は大きく分けて3通りあります。
①みじん切り
②スライス
③包丁などで押しつぶす
基本的には細かくすればするほど強く香りが出ますが、ペペロンチーノに関してはどの切り方が特に良い、ということはありません。
ニンニクの香りと味をしっかり効かせる場合はみじん切りがおすすめですが、スライスや押しつぶして具材としての存在感を出してあげるのも良いでしょう。スライスの場合は、きつね色になるまでオイルで炒めてから別の皿などに取り出しておき、ガーリックチップにして仕上げに散らす、という方法もあります。(これも香ばしくて美味しいですよ。)
ニンニクをカットせずに潰す場合、ニンニクはある程度形を保ったままの状態で加熱されることになるため、焦げづらいというメリットがあります。ですので、「ニンニクと一緒に加熱したい食材があるけれど、ニンニクをみじん切りにすると先に焦げてしまう」という場合にはこの方法を使います。(例えば、ニンニクとベーコンを同時に加熱してソースを作る場合など)
ニンニクを炒めるポイント
ニンニクを炒めるときのポイントは3つあります。1つ目は芽をとること、2つ目は炒めすぎないこと、3つ目は弱火で加熱することです。
1つ目、ニンニクには真ん中に芽があります。これは周りの部分と比べて香りがキツく、また焦げやすいのでカットする時に必ず取り出しましょう。
2つ目、ニンニクを炒めすぎると苦い味と香りが出てきてしまいます。「きつね色になるまで」炒めるのは少し行き過ぎで、色がつき始める一歩手前、香りが出始めた段階で火を止め、パスタの茹で汁少々を加えて火入れを止めてください。
3つ目のポイントですが、ニンニクは焦げやすい食材ですので、強火で炒めるとすぐにきつね色に焦げてしまい、うまく香りが出ません。基本的にはごく弱火でフツフツと加熱し、ある程度時間をかけてニンニクの香りをじっくりとオイルに移していくことが大切です。
シンプルなパスタ料理であるペペロンチーノだからこそ、こういった一つ一つのポイントが重要になってきます。
(参考レシピ)蟹缶のペペロンチーノ
唐辛子について
唐辛子が果たす第一の役割は「辛味をつけること」ですが、実は唐辛子には旨み成分であるグルタミン酸が豊富に含まれているため、「旨味をプラスする」という役割もあります。
市販の唐辛子には、ホール(丸ごと)と輪切りのものがありますが、輪切りの方が辛味が強く出ます。また、唐辛子は特に種の部分の辛味成分が強いので、ホールを使用する際も割って種ごと使用する方が辛く仕上がります。
その他に、「カイエンペッパー」と呼ばれる、いわゆる一味唐辛子も市販されています。こちらは好きなだけ辛味を調整できる便利な調味料ですので、興味があれば手に入れてみてください。
唐辛子をフライパンに加えるタイミングは人それぞれです。ニンニクと同じタイミングで入れる人もいれば、後から入れてすぐに取り出してしまう人もいます。こちらはお好みで大丈夫ですので、自由に調整してみてください。
オリーブオイルについて
ペペロンチーノに限らず、全てのパスタ料理で必須の食材となるオリーブオイル。
オリーブオイルには大きく分けて「エクストラバージン(EXV)オリーブオイル」「ピュアオイル」の2種類があります。より細かい分類や国による分類方法の違いなどは一旦おいておきますが、ざっくり言えば「EXV」はいわゆる生搾り、「ピュア」はそれを精製したものです。
「EXV」の方が香りや味わいが強いものが多く、値段も高価です。こちらは火を通したりニンニクを炒めたりするとせっかくの香りが飛んでしまってもったいないため、加熱せず仕上げにまわしかける、調味料としての使い方が一般的です。
ペペロンチーノのように、「オイルにニンニクと唐辛子の香りを移す」ような場合は、香りの弱い「ピュアオイル」でOKです。
その他の材料は大事です
冒頭にも述べましたが、ペペロンチーノが難しい理由は「わかりやすい旨味要素が少ないから」です。ですので、旨味成分の強い食材をプラスしてあげることで、比較的簡単に美味しく仕上げることができます。
ペペロンチーノにプラスするおすすめの要素は、「動物性たんぱく質」と「爽やかな香り」です。
まず「動物性たんぱく質」ですが、具体的にはパンチェッタやベーコン、アンチョビ、チーズ、バターなどがあげられます。これらの食材を加えてあげることで旨味が分かりやすくアップします。上記が手に入らなければ、麺つゆを使うのも手っ取り早いですね。
「爽やかな香り」には、レモンなどの柑橘系、ローズマリーやパセリなどのハーブがあげられます。ニンニクの香りだけでは少しもったり重くなってしまうところを、これらの香味ですっきりと奥行きのある味わいに仕上げることができます。
調理の技術を磨くのも大切ですが、食材の組み合わせを色々試してみるのも料理の醍醐味です。ペペロンチーノというシンプルな料理だからこそ、その他の食材やハーブなどに気を配ってみると良いでしょう。
(参考レシピ)海老とズッキーニのオイルパスタ
今回はペペロンチーノを美味しく作るコツを、各要素に分解して解説してみました。シンプルゆえご自宅で作ることも多いペペロンチーノ、こちらの記事を参考に美味しいペペロンチーノを作ってみてくださいね。
パスタ料理の基本についてはこちらにまとめていますので、ぜひ他の記事もご覧になってください。
コメント
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